活動を支える子どもの権利論

子どもが自由にあらゆる「ねぇねぇ」(思いや願い)をおとなに発し、それに対しておとなは「なぁに」と顔を向けること。そうやって子ども自らが、身近なおとなとの関係性をつくることができるようにしたこと。それが、子どもの権利条約の中核的な考え方です。

確かに子どももおとなと同じ「かけがえのない価値を持ったひとりの人間」です。しかし、おとなのに比べて子どもは、経済力も能力も、経験もまだ未熟です。自分で何かを決めたり、責任を取ることも難しいのが現実です。

そんな子どもが権利を自分のものとして使い、自分らしく大きくなり、調和の取れた人格へと成長・発達するためには、子どもが発するあらゆる欲求、思い、願いをそのままで受け止め(受容)、応じ(応答)てくれる「身近なおとな」が必要になります。

だから、子どもの権利条約には「子どもには自分の思いや願いを自由に出しながら大きくなる(成長する)権利」(6条、12条)があり、「子どもの身近にいるおとな(親、保育士、教師など)は、子どもの思いや願いと親権に向き合う義務がある」(12条)と定めました。

これによって子どもは、ひとりで苦しんだり、無視されたり、おとなにとって都合のいい「よい子」になったり、おとなに従う必要もなくなりました。この「呼びかけ、向き合ってもらう権利」は、子どもの権利のいちばん大切なものであり、おとなに愛されながら成長していくことを子どもの力で実現していく権利なのです。